今回の改正に当たり、積極的に賛成してきた団体は漫画やアニメの一体何を問題視し、何を規制したがっていたのかをここで整理してみる。
先のエントリでも引用した都小Pの公式見解から問題としている部分を抽出してみる。
○子どもを守るため、子どもが健やかに育つために、みんなで児童ポルノを根絶する責務を自覚すること
○漫画やアニメのうち、幼い子どもが自ら性交を求め、快楽を得ているかのようなものや、親子や姉弟・兄妹間の激しい性交があたかも愛情表現の一環であるかのように描かれているものなど、子どもに対する悪質な性行為を描いたものを、子どもに見せない、売らないようにすること
○携帯電話を介したインターネットの有害情報を巡り、子どもが児童買春などの犯罪やトラブルに巻き込まれたりすることのないように、フィルタリングの実効性を確保すること
漫画、アニメに関係しているのは真ん中の部分だろう。
では、果たして都小Pの言っているような販売がされているのだろうか。
条例の制度構成から見る現状
この条例の制度上、子供(青少年)に販売が許されないのは旧条例であれば第八条一項で都知事が指定する指定図書類と、自主規制団体によって指定される表示図書類が該当する。
ここでは表示図書類に指定されていない図書類と、過去の答申によって指定図書類に指定された図書類を並べることで、旧条例でどのような漫画が青少年に販売できているかを導きたい。
現在発売中の表示図書類に指定されていないもの
表示図書類(18禁)には次のようなマークが付けられるとしている。
- 楕円形で黄色地に黒文字(もしくは黒地に黄色文字)の「成年コミック」(主に単行本)
- 黄地長方形に黒文字の「成年向け雑誌」(主に漫画雑誌)
- 赤地の正方形もしくは円に白色の18を書き、その上を黒のバッテン、または18の黒字が中に入った四角や円の「車両通行禁止」標識風(成人向け漫画では少なく、主にゲーム雑誌・写真集などに用いられる)
つまりこれらのマークが無いものは表示図書類ではないと解釈して良いわけだ。
ということでこれらのマークの無いコミック、雑誌をざっと列挙してみる。
- 集英社 ジャンプSQ ToLoveるダークネス
To LOVEるダークネスでヒロインの股間から愛液が垂れてる件 : あじゃじゃしたー - 竹書房 制服と彼女と・・・。
制服と彼女と・・・。 「かなりマニアな選定ですがコスプレエッチ漫画ですw」 – アキバBlog - 双葉社 おふらいんげーむ
おふらいんげーむ4巻 「女の子2人と同棲開始 繋がりっぱなし!」 – アキバBlog - ワニマガジン コミック快楽天
コミック快楽天 鳴子ハナハルの「ナマ好き美少女スワッピン」 – アキバBlog
(1/3修正 はてブでid:kikori2660さんより指摘。小口テープ止めで販売されてるようなので取り下げ。指摘感謝します。) - 白泉社 うそつきパラドクス
うそつきパラドクス5巻 「ドロドロ四角関係が半端無いですね(^^;」 – アキバBlog - 小学館 少女コミック
「少女コミック」のエロ描写まとめ(2004年~2005年) – ちゆ12歳 - 秋田書店 チャンピオンREDいちご
チャンピオンREDいちごVol.15 スジに飽き足らず中身まで解禁「バケカノ」 - 少年画報社 百武さんちの静さん
堀博昭 / 百武さんちの静さん 「爆乳美女と新婚気分でフルコース」 – アキバBlog
・・・こりゃアカンわ。
これはエロが野放しに販売されてるって言われても反論できん。
どこが自主規制してるんだ。
平成22年度になって指定図書類に指定されたもの
気をとりなおして旧条例でどんな本が指定されてきたのかを都のページから引いてみる。
- リイド社 新 ホントにあったHな体験①
- 竹書房 ツマ恋専科
- リイド社 インモラル女教師
- 竹書房 ルナティック・ナース
- オークラ出版 ミミ☆モエ
- 双葉社 ぷにゅぷり!
- ジュネット コミックジュネ 8月号
- クイン出版 ツンデレ上司 リコ様OL日記
- 双葉社 ゾッコン!ボイン温泉 ②
- 竹書房 桃色団地の日情
- メディアックス REAL LOVE Vol. 1
- ユース社 Daito comics マザーフィール
- 竹書房 人妻インモラル
- 海王社 GUSHmaniaEX 特集 勃たない!?
- 双葉社 ACTION COMICS 奥さん!米屋です
- 辰巳出版 NEOコミックス 極楽レディース 恍惚編
- 竹書房 あまくちナイト①
- 少年画報社【YCコミックス】 ニュースのお時間
- ユース社 Daito comics 満開お姉さん
- 竹書房 制服散歩
- サン出版 コミックアムール №251 2010 11月号
驚きの竹書房率である。
一体何でこれで自主規制が出来てるとか思えるのか謎に思えてきた。
驚きの結果
何か出てくる出版社に見覚えがあると思ったら反対派として声明を発表していたコミック十社会だった。
コミック10社会
秋田書店 角川書店 講談社 集英社 小学館 少年画報社 新潮社 白泉社 双葉社 リイド社
ざっと見ただけで10社会のうち7社がどう見てもアウトなもの出版してるというこの現状。
これを一体どう考えればいいんだ。
この条例改正に反対するってことは「小学校低学年だろうが幼稚園児だろうがここに挙げた本を売っても構わない」と考えているのと同義になるんじゃないか。
正直引くわ。
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