【ワシントン=渡辺浩生】米財務省は14日、マカオの銀行バンコ・デルタ・アジア(BDA)が通貨偽造や麻薬取引や資金洗浄など北朝鮮の幅広い不当行為に関与していたとして、米国の金融機関との取引禁止を発表するとともに、凍結された2500万ドルに上る北朝鮮関連口座の解除の判断はマカオ当局に一任する方針を明らかにした。
リービー財務次官(テロ・金融犯罪担当)が会見し、調査の結果「銀行が不法行為全般を手助けしていた」と指摘。2005年9月以来暫定的に続けてきた米金融機関とBDAとの取引停止の正式決定を発表した
北朝鮮への金融制裁を解除 米、マカオ当局に一任|米国|国際|Sankei WEB
【ワシントン=丸谷浩史】米財務省は14日、北朝鮮に科した「金融制裁」に関する調査結果を発表した。北朝鮮関連の資金2500万ドルの口座を凍結しているマカオの銀行「バンコ・デルタ・アジア(BDA)」と米金融機関の取引を全面的に禁止する一方、調査結果をマカオ当局に伝えた。マカオ当局は法的に問題ない口座の資金凍結を解除するとみられ、金融制裁の一部解除を事実上、容認することになる。米朝の金融専門家会合は継続する。
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これを制裁解除と見ちゃうのはさすがにちょっと違うような。
今回アメリカがやったのは
- BDAと米金融機関との取引を恒久停止
- 凍結口座の扱いはマカオ当局に委ねる
であって、単純な凍結解除じゃなくてもっとえげつないんじゃないかと。
BDA自体は米銀行との取引停止でドルへの換金が事実上不可能になるわけで乙としか。
それよりも凍結口座の扱いをマカオ当局に委ねた事は、この件のケツ拭きをマカオを事実上と統治する中国政府に委ねているわけで、アメリカとしては対北朝鮮との二国間交渉の最優先課題とされてきたBDA口座の凍結解除を担保しつつ六者協議での中国のスタンスを見極める観測気球に使ってるように見えたり。
マカオ当局がこの口座の凍結を維持する場合北朝鮮に対してアメリカは、「もう俺らは解除したんだから文句は中国に言え」というだけですし、全ての凍結を解除した場合次に北朝鮮で事が起こった場合の責任を中国に取らせる事ができるわけで一挙両得と。
こう考えると、北朝鮮の資金凍結のターゲットとしてマカオを選んだ事自体が対中戦略を含んだ判断だったんじゃないか。とか思えてきて何とも。
きっと北朝鮮の隠し資産なんてのはマカオだけに限らず世界中の銀行やタックスヘイブンにあるはずなのに何でマカオの1銀行でしかないBDAなんだろうってのはずっと引っかかってたんだけどストンと納得した感じ。いや、ただの想像ですが。
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