事実関係はさておき、このへんの事例を元に状況を想定しています。
中規模IT企業A社は開発プロジェクトの人員増強のため、即戦力となり得る人材の雇用を考え、中途社員の採用を企画し就職情報誌に1名募集の求人広告を出した。
後日、広告に対し日本人3名と外国人1名が応募してきたため採用試験を行った。
その結果、高得点を出した日本人D氏と外国人F氏に選が絞られ、結果日本人D氏を採用する運びとなった。
即日外国人F氏に対し不採用の告知を行ったところ、不採用理由を聞かれ上記の事実および僅差で不採用となった旨を通知した。
それに対しF氏は「不採用となったのはA社の外国人蔑視のためで人権侵害である」として人権委員会に対し訴え出ると通告した。
こんなケース。
このようなケースで人権委員会がこれをどのように処理するかは極めてグレーである。
この場合において、A社の規模に対し(人権委員会が)外国人の比率が低いと認定した場合、不当に外国人を排斥する意識があるとして、これを人権侵害とする可能性は高いと思われる。
それに対し、A社はどのように答申すれば良いのだろう。
同等のスキル、職能を持つ2者がいてそれぞれ外国人と日本人で会った場合、最大公約数的に見た外国人と日本人の文化的な違いによる軋轢を鑑みて日本人を採用することは十分考えうる事で。
しかしながらこれを理由に採用を見合わせたと答申すると人権侵害であるとされるだろう。
では、こと細かな技術的スキルや適性などを理由に採用を見合わせたとしたところで、上記の件ではほぼ同じスキルを持っているとされているため、スキルの差で不採用としたことが妥当と判断されることは難しいでしょう。
そうすると結果として外国人を優先的に採用しなければならないという結果になりかねません。
これを逆差別と言わずになんと言うのでしょう。
以上はあくまでも想定以外の何物でもありませんが、実際このような事例は法案成立後確実に発生すると思われます。
このように、人種以外に特段の違いが見出せない場合に人種の違いにより起こりえるであろうリスクを鑑みて両者を区別することを差別としてしまった場合、これは逆に人種以外に特段の違いが見出せない場合に人種の違いにより差別と呼ばれるリスクを避けて日本人を区別することを助長するわけです。
このように極めてナイーブな判断を人権委員会が行ってしまう場合、人権に関するグレーゾーンが白黒はっきりしてしまい、逆差別を誘発することがあります。
これもある意味人権擁護法案の副作用と言えるでしょう。
この話はすべて想像上のものです。
人権委員会が現実的な解を出す事を期待しますが、このような事態が想定できるということからこのようなエントリを記しています。
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