先週からこのサイトで実験的に導入しているGoogleAnalyticsですが、サーバー過負荷により新規ユーザーの受付を一時的に中止しているようです。
Google Analyticsは14日、これまでの有料サービスから無料サービスへの転換を発表し、新規会員の受け入れを開始した。しかし、解析対象とするWebサイトに必要なHTMLコードを挿入する手続きを施してから12時間以内に表示されるはずのデータが24時間経過しても表示されなかったり、その後もデータの表示が1日から2日程度遅れるなど、深刻なパフォーマンス上の問題が生じていた。
「Google Analytics」が需要過多に耐えきれず新規加入を制限
確かにリリース直後からかなり重く、Googleの他のサービスと比較できないほど鈍いパフォーマンスで「サーバー大丈夫か?」と思っていたところで、案の定といったとこでしょうか。
ただ、理由は後述しますがアクセスも徐々に減るでしょうからそれまでの我慢でしょう。
以下使用インプレッション。
使用感
導入はサイトのページヘッダにGoogleから提供されるJavascriptを埋め込むだけで非常に簡単。
組み込んでしばらく(公称12時間、今回は混雑で36時間程)トラッキング(*1)確認状態になり、これが完了するまでアクセスの解析は一切できない。
トラッキング確認が終了すると24時間のログ収集期間に移行する。
そして翌日から解析データを閲覧する事が可能になる。
閲覧できる解析データは多肢にわたり、Hit数やユニークユーザー、検索キーワード、検索エンジン、リファラなど一般的なアクセス解析サービス(*2)で提供されるものから、キャンペーンの投資収益率などWebTrendsやSiteTrackerの様な本格的なアクセス解析製品でしかできないような解析まで揃っており、予想を超えた高機能であると言える。
UIはGoogleの得意とするAjaxと、Flashによるビジュアルな表現で新たなUIの境地に達したなと思う。
現状動作がもっさりしており操作性が必ずしも良いとは言えないが、パフォーマンスが改善されれば満足できるUIと言えるだろう。
GoogleAnalyticsのターゲットユーザーは誰か
一つはっきり言える事はGoogleAnalyticsは、一般的な個人WebサイトやBLOG向けではない。
メインターゲットとなるユーザーは、GoogleAnalyticsリリース時のプレスリリースでGoogle自身が「GoogleAdsやEC分野での活用」を謳っていたように特定のページに誘導することをはっきりとした目的として持つサイトだろう。
これは解析メニューを見れば感じとれるだろうが、コンバージョン設定によってサイト設計者の想定するページ遷移を設定し、目的となるゴールを明確に設定する事によってしか最大限GoogleAnalyticsを活用する事ができないように出来ているためだ。
これは1歩踏み込めば「サイト管理者の意図とサイト訪問者の行動の差異を浮かび上がらせ、より効率よくゴールへと誘導するヒントを導き出すツール」と言ってしまうことができるだろう。
Amazonを例にとればサイト管理者の意図するコンバージョンは
- 各商品ページで商品を選ぶ
- 気に入った商品をカートにいれる
- レジに進む
- 注文を確定する(ゴール)
であり、サイトの収益率を最大にするためには如何に多くのユーザーをゴールまで導くかという事に集約される。
こういった明確なサイトの指向が決定されているサイトにおいてGoogleAnalyticsは強力なツールたりえる。
では、逆に一般的なサイトやBLOGなどでこのような使い方をするだろうかと考えると、おおよそ全ての場合に置いて「否」であろう。
特定のページに誘導することが目的である場合など限られている(もしくは無い)だろうし、サイトナビゲーションに強い指向がある場合も少ないだろう。
そういったサイトにとってGoogleAnalyticsは世に溢れるアクセス解析サービスの一つでしかない。
更に言えば一般的なサイトに併せて作られていないため、他のサービスと比較して使い勝手の面で一歩も二歩も後塵を拝している感は否めない。
よって、GoogleAnalyticsの利用者は徐々に減少していき、ECサイトやAds利用者などGoogleの目論むメインユーザーが大多数を占める形に集約していくのではないかと思われる。
これが、先に書いたアクセスが減るだろうと思われる理由だ。
結論
GoogleAnalyticsはToolとして極めて優秀だけど、使う人やシチュエーションを激しく選ぶ。
一般的なサイトでは使う意味を見出すのは難しい。
*1:スクリプトからGoogleAnalysticsサーバーへのデータ送信
*2:忍者、xreaアクセス解析など
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