竹中氏辞職 制度の穴をふさぐには
 竹中平蔵氏が、きのう参院議員を辞めた。小泉改革の旗振り役として議員になって、まだ2年余りしかたっていない。それなのに閣僚辞任とともに議員バッジも外してしまった。
 「仕事が終わったのだから辞めてもいい」。こんな理解ある声も聞こえてくる。だが、私たちはそうは思わない。
 構造改革の行方を見届けようともせず任期途中で投げ出すのは、政治的にあまりにも無責任だ。
asahi.com :朝日新聞今日の朝刊-社説

一見御高説はごもっともと見えるんですが。

 2年前の参院選を思い出してほしい。竹中氏は小泉改革の看板役者だった。党名でも候補者名でも投票できる比例区で、約72万の個人票を集めた。自民党の比例区候補者で断トツの1位だった。
 竹中氏が集めた票はほかにもある。「竹中氏がいるから」と、自民党に票を投じた人も多かったに違いない。
 竹中氏の途中退場により、女性プロレスラーが繰り上げ当選になる。竹中氏、そして改革を支持した有権者は、自分の1票の行方に戸惑うのではないか。
 01年の参院選比例区でも似たようなことがあった。民主党の大橋巨泉氏、社民党の田嶋陽子氏がともに党のトップ得票で当選しながら、短期間で辞めた。
 選挙で「党の顔」をつとめた人が次々に議席を投げ出していく。繰り上がりで党の議席数は変わらないのだからいいではないか。こう言わんばかりの開き直りがまかり通っては、政治への信頼はますます失われていく。
 「1年だけ議員をやってくれればいいから」と口説いて高名な人物を比例区にずらりと並べ、票をさらう手法だって出てくるかもしれない。これでは票を投じることがむなしくなる。

タレント候補で1年だけを条件に仮に票をさらったとして1年後にやめられたら無条件で他党に議席を譲り渡すことになるわけで、そんなバカ戦略を実際に取る党が世界中のどこにあると言うんでしょうか。民主党はやりそうだけど。

 制度に穴があるのだ。

制度よりも大穴が社説に空いてるように見えますが。

 政治不信を募らせないために、私たちは対処策を2通り考えてみた。

へぇ。

 ひとつは、辞める議員が集めた個人票を政党の獲得票数から差し引いて、議席を配分し直す。そうすれば、辞めた議員とは違う政党の候補者が繰り上がる可能性も出てくる。
 もうひとつは、勝手に辞めた場合には繰り上げ当選を認めず、欠員のままにする強硬策だ。

・・・まぁ考えるだけならタダでしょうね。

 こうした問題をそのままにしておいて、「良識の府」と言われても、有権者の理解は得られない。参院の選挙制度の抜本的な見直しを含む立法府改革は、待ったなしの課題になっている。
 竹中氏の辞職があぶり出した制度上の問題点を議論の端緒にすべきだ。

こうした社説をそのまま公開しておいて、「ジャーナリスト宣言」と言われても読者の理解は得られない。全社員の再教育を含む朝日新聞改革は、待ったなしの課題になっている。
本日の社説があぶり出した根本的な問題点を議論の端緒にすべきだ。