安倍晋三首相(自民党総裁)は27日夕の党役員会で、昨年の通常国会で郵政民営化関連法案に反対し、自民党を離党した造反組の無所属議員12人のうち平沼赳夫元経済産業相を除く11人の復党を認める意向を表明した。平沼氏については「郵政民営化への賛成」などを含む誓約書を提出しなかったため、復党を認めなかった。同党は週内に党紀委員会を開き、11人の復党を正式決定する。
 首相は役員会で「11人は、中川秀直幹事長が示した条件を(誓約書で)述べている。平沼氏は残念ながら、条件に同意を得られていない状況で、(復党見送りは)やむを得ない」と指摘した。その上で「11人については、党紀委員会で復党審査の手続きに入ってほしい」と指示した。
 これに対し青木幹雄参院議員会長が「もっと温かく迎える方法があったのではないか」と、誓約書提出を課した中川氏の対応を批判したが、首相の方針が了承された。
 中川氏は役員会後の記者会見で「郵政造反組」のうち、昨年の衆院選で落選した元議員の復党問題について「今は白紙。いろいろなケースの中で、県連の話もあった場合にどう考えるか」と述べ、地方組織の要望があれば、個別に対応する方針を示した。
 誓約書を提出した堀内光雄元通産相らは党紀委員会開催に先立ち、28日午前、誓約書に盛り込んだ「国民の理解を得る取り組み」の一環として国会内で記者会見し、復党理由などについて説明する。
11人の復党手続き指示 首相、平沼氏は見送り@中日新聞

がっかりだよ。

老害

 復党の出発点は、10月10日に行われた安倍、中川、元首相・森喜朗、参院議員会長・青木幹雄の4者の極秘会談だった。安倍が日中、日韓首脳会談を終え帰国した翌日の夜、安倍は東京・紀尾井町の赤坂プリンスホテルにある中華料理店に入った。報道各社には「首相秘書官との会食」と説明されたが、実際は席を抜け出し、森、青木、中川との会談に臨んだ。現職、前職合わせた造反組の一括復党が参院選対策に不可欠とする青木の意を受け、森が中川に命じセットした。
 青木は参院選の分厚いファイルを持ち込み、来夏参院選の焦点となる1人区の情勢を逐一、説明した。一つの選挙区の説明が終わるごとに「いいですね」と念押しする徹底ぶりだった。
 しかし、中川は青木の指摘に懐疑的だった。果たして造反組の復党が参院選にプラスなのか” 。中川は後に「参院自民党の考え方が理解できない」と周辺にこぼす。
 安倍が青木に「復党の条件はどうしますか」と聞くと、青木は「そんなの無条件だ。いいですか、総理。腹をくくってください。造反組の早期、一括の復党が絶対に必要ですよ」と激しく詰め寄った。「やらないならそれでもいいけども、その時は私は来年体調を崩して入院するだけです」と暗に、参院議員会長を辞する脅しまでかけた。「参院選で負ければあなたはおしまいだ。それを乗り越えたら長期政権になる」とたたみかけ、森も「時間を置いちゃだめだ。一気にやらないと反対論が頭をもたげる」と同調した。
 中川は造反組を復党させず統一会派をまずは結成する案も持ち出したが、青木氏は「そんなのダメだよ」とはねつけた。中川は「(22日に)衆院の統一補選があります。それが終わりましたら」と補選後の復党をにおわせたが、決して本心ではなかった。安倍も「わかりました。具体的な手順は幹事長に任せます」と了解したが、胸中は揺れ動いていた。
MSN-Mainichi INTERACTIVE

そりゃ小泉前総理と同じだけの政治的手腕を問うのは厳しいのかも知れないけど、ここまでヘタレると心底がっくりくる。

「やらないならそれでもいいけども、その時は私は来年体調を崩して入院するだけです」

なんてのには「お疲れさまでした」とでも言っておけばいいじゃねーか。その間に参院自民党を立て直して小泉の改革路線の継承者であることを世間に声高にアピールすればいい。その方が何倍も参院選で票が呼べるだろう。
世論の後押ししか地盤の無い安倍にとって世に受け入れられない今回の復党は完全な失策だろう。
世耕は何をやってる。しっかりせんか。

浅薄

若手議員にもがっかりだ。

 佐藤氏は午後5時、復党に反対する新人議員ら12人とそろって記者会見に臨んだ。「民営化反対で国民の支持を受けた人は、次の選挙で民営化賛成で(戦い)当選後に復帰する手続きを取るべきだ」と発言。野田氏らの復党の動きを批判した。また党の復党容認姿勢には「憂慮すべき問題です」「党改革の一環として公募したのに。これでは、公募に手を挙げる人がいなくなってしまいますよ」といらだちを隠さない。「これでは、無党派層を取り込めません」と早口にまくしたてた。
MSN-Mainichi INTERACTIVE

言ってる事はたぶん間違えてないとは思う。
だけど、

 昨年の総選挙で、岐阜1区で当選した野田氏が復党すれば、小選挙区では落選したが比例で復活した佐藤氏と、1つの選挙区に同じ政党の2人の女性議員が陣取る。しかし佐藤氏は「私が、岐阜1区の支部長を預かっている」ときっぱり。パーティーでは、出席者と会うたびに頭を下げ、“1区はゆかりたん”を必死にアピール。「絶対負けないで、頑張ってと、温かいご声援をいただいた。復党問題では、執行部にきちんと配慮していただけると期待している」と強調した。
佐藤ゆかり議員「岐阜1区」死守宣言 – 社会ニュース : nikkansports.com

こんな事やったら結局参院自民党と同じように選挙のためにやってるとしか思えない。
佐藤議員は個人的に期待してたので実に残念だ。
参考:佐藤ゆかりって只者じゃないんじゃね? (ニヤリ@qyen.info)

結局のところ

この問題をある程度丸くおさめるには復党は来年の参院選以降、できれば再来年の1月ってのが選挙対策とも政党助成金対策とも言われないで復党できるベストなタイミングだと思う。
造反議員は党是に反対して懲罰として除名されているわけで3年弱の冷や飯ぐらい食わないと国民は納得しないだろうし。
逆に最悪のタイミングがまさに今だろう。
結局のところ今じゃないといけない理由ってのは推して知るべしなわけで、日本の政治なんて所詮こんなもんなのかと考えれば考えるほど暗澹とする。
ったく野党も与党も一体どうなってやがんだ。