白洲次郎の日本国憲法 | |
鶴見 紘
光文社 2007-01-06 おすすめ平均 |
イマイチだった。
過去に「白洲次郎 占領を背負った男」を読んでるからか、物足りなさをかなり感じる。
麻生太郎外務大臣の妹御である?仁親王妃信子殿下の談話が掲載されている点が目新しいぐらい。
資料としてはジープウェイレターの写真が掲載されているなど、若干他の書籍にないものがある程度。
それよりも文章のそこかしこからチラリチラリと覗く妙なリベラリズムが鼻につく。
そのせいか白州の言動を無理矢理に(今の)護憲に結びつけようとする不可解な解釈や文章が多く読後感はどこかすっきりしない。
白州は吉田茂や当時の首脳に比べかなりリベラルな考えを持っていたのは確かだとは思う。でも、それはあくまでも他者との比較であって、彼自身リベラリズムに傾倒していたかといえばそれは違うと思う。
彼自身にとっての白州次郎はイギリス貴族であり、親友だったロビン(7世ストラットフォード伯爵 ロビン・セシル・ビング)と同質の人間だったんじゃないかと思う。
それは彼自身が最も大事にしていたプリンシプルや、カントリージェントルマンという生き方などから透けて見えるように思う。
だからこそ本書で描かれている白州像に違和感を感じてしまう。
そういう意味で、この本から得られるものは「そういう見方もあるのね」以上でも以下でもない。
白洲次郎 占領を背負った男 北 康利 講談社 2005-07-22 |
最近のコメント