(7/27:グラフを追加)
asahi.com:〈選択のとき:2〉広がる格差 埋める策は – 朝日新聞 2007参院選:特集
「一億総中流」小泉政権で変化
日本経済の景気拡大は6年目に入った。それでも、多くの人が実感を持てないでいる。「生活が苦しい」と感じる世帯は昨年7月時点で56.3%(厚生労働省の国民生活基礎調査)。5年連続で過去最多だ。経済成長に乗れた「勝ち組」と、そうでない人たちとの「格差」は縮まらない。
( ゚ Д゚) このグラフ……?
左の目盛り:国民千人あたりの被生活保護人数
右の目盛り:都道府県ごとの有効求人倍率のばらつき
_, ._
( ゚ Д゚) ?
図上をみて欲しい。都道府県ごとの有効求人倍率にどのぐらいの格差があるのかを示すグラフだ。ばらつきを示す数字(変動係数)が1に近づくほど、格差は大きくなる。第一生命経済研究所の熊野英生・主席エコノミストの分析だ。
( ゚ Д゚) 『都道府県ごとの有効求人倍率の格差』ですよねー
変動係数は「いざなぎ景気」のころ0.8を超えていたが、70年以降はおおむね低下し続けた。
84年には一時的に格差が拡大し、「マル金」(金持ち)や「マルビ」(貧乏)が流行語になった。それでも年功序列や終身雇用で守られた「一億総中流」の意識は、なお揺るがなかった。
約30年続いた流れに変化が表れるのは小泉政権が発足した01年以降だ。
小泉政権は公共投資による底上げを重視してきた政策から、規制緩和や構造改革によって民間主体の経済運営に転換。それと軌を一にするように、地域の雇用格差は02~03年を底に反転、いまも格差拡大は続く。
_, ._
( ゚ Д゚) ???
なんだこれ。
こんな悪質なミスリードは久しぶりに見た。
ちょうどいいデータがあった。
NIKKEI NET(日経ネット):景気ウオッチ”GDPや月例経済報告など内外の主要経済指標
総務省が29日発表した5月の完全失業率(季節調整値)は前月と同じ3.8%だった。男性の完全失業率が前月比0.1ポイント改善の3.9%と1998年3月(3.9%)以来、9年2カ月ぶりに3%台に下がった。一方、厚生労働省が同日発表した5月の有効求人倍率(同)は前月を0.01ポイント上回る1.06倍。雇用情勢の改善は続いている。
ここで出ている有効求人倍率のグラフ(図2と記す)と朝日のグラフ(図1と記す)を見比べていただきたい。
(7/27追記)
2つのグラフを90-07年の間でマージしてみた。
基本的にリンクしながら上下しているのがわかるだろう。
日経のグラフが90年~になっているためそこに限定して考える。
図2のグラフから、バブル絶頂期の91年前半の有効求人倍率は1.5倍に達そうとする高水準だった。ここをピークに91年中盤0のバブル崩壊によって有効求人倍率は地に落ち95年に0.6倍、98年には0.5倍を下回るまで下落し、02年に入ってようやく回復基調になっているのが読めるだろう。
ではその間の図1の朝日のグラフはどうなっているだろうか。
90年から02年あたりまで一環して減少し続け、以降上昇している。
前述の様に、図1の指標は「都道府県ごとの有効求人倍率の格差」である。
言い換えれば「都道府県ごとの求人の伸びの不均衡さ」だ。
この指標はあくまでも不均衡の程度を示す物であるため、地方だけ求人が延びても都市だけ求人が延びても同様に上がることに注意が必要だ。
ではこの2つのグラフからこの期間で起こっていた事を推論してみよう。
(景気動向については図録▽離婚件数の推移と景気との相関の2番目のグラフを借用)
オイルショックなどでGDPの落ち込みはあるものの64年以降順調に高止まりする経済成長は、国内の産業拡大を引き起こした事により全国的な慢性的な人不足となったことで、有効求人倍率を高く保ったまま都道府県ごとの有効求人倍率を平準化した。……(1)
91年のバブル崩壊により全国的に未曾有の大不況に突入したことにより全国的に求人が減少、これにより有効求人倍率が急低下した。
しかし、全国的な人あまり傾向であったため都道府県ごとの有効求人倍率格差は低く留まった。……(2)
2002年になり景気が上昇局面に転換すると、有効求人倍率は上昇を始めるが同じ様に都道府県ごとの有効求人倍率格差も上昇に転じる。……(3)
さて、では朝日の指摘する格差とは『都道府県ごとの有効求人倍率格差』だとするならば、最も低い値を記録した96年の状況が理想なのだろう。
その96年は有効求人倍率0.6%、景気は下げ止まらず衰退の一途をたどっていた。
この数値が表す96年の状況は一言で言えば「誰もが悪い」状態だ。
都会も田舎も関係無く就職しようにも職がなかった時代である。
有効求人倍率0.6とは10人が就職希望を出しても6人しか採用されないのだ。
これが朝日新聞の理想なのか。
はっきり言って頭がどうかしてるとしか思えない。
国の景気が好調に転じるとき地域格差なく同時に上昇に転じるなんて事は計画経済でなければあり得ない。これは構造改革云々でなく市場経済での当たり前の特徴じゃないのか。
02年以降の格差拡大は大企業から順に回復しているという事実の追認以外の意味を持ち得ない。
景気の動向に大きな影響を受けない輸出を手がける大企業から回復する。当たり前の事実じゃないのか。
大企業の業績が向上していく事によって徐々に下請け企業や従業員に還元され、それがやがて全体に回る。それまでには時間がかかる。ただそれだけの事じゃないのか。
だとすればこのまま経済が順調に回復すればこの格差など回復する。
朝日の指標としている『都道府県ごとの有効求人倍率格差』が低くなるのは2つのパターンしかあり得ない。1つは景気が長期に渡り上昇している場合でもう1つは景気が暴落した時だ。
はっきり言ってこの数値をもって格差拡大などと良い募るのは極めて悪質なミスリードだろう。
まして
「ヒルズ族」に代表される「勝ち組」の存在感が増す一方、06年には3人に1人が非正社員となり、規制緩和で増加したタクシー運転手の過酷な労働が社会問題になった。構造改革の「負」の部分が焦点となった。
勝ち組負け組の経済格差など言語道断。
ジャーナリスト宣言?
笑わせんな
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