安倍首相、突然の辞意表明|首相|政治|Sankei WEB

 安倍晋三首相は12日昼、自民党幹部に辞意を表明した。首相は7月の参院選での自民党大敗後も続投を選択したが、閣僚らの不透明な政治資金処理問題などで政権の失速に歯止めがかからなかったためとみられる。首相の辞意を受け、自民党は早期に総裁選を実施して新総裁を選出する見通し。安倍首相を支えてきた麻生太郎幹事長らを中心に後継選びが進みそうだ。
 関係者によると、安倍首相は同日昼、首相官邸を訪れた自民党の大島理森国対委員長らに対し、「総理の職を辞する。代表質問に答えられない」と述べたという。これを受け、自民党は各党に対し、午後1時から予定していた首相の所信表明演説に対する各党代表質問のための衆院本会議開催を遅らせるよう申し入れた。本会議は流会になる見通し。
 麻生氏は国会内で記者団に対し、首相の辞意表明について、首相が「議会で求心力がなくなった」と理由を伝えてきたことを明らかにした。また、民主党幹部は、自民党幹部から「私(首相)は代表質問に出るわけにはいかない。健康上の理由だ」と伝えられたことを明らかにした。
 安倍内閣は昨年9月26日に発足。教育基本法改正、憲法改正のための国民投票法制定など、「戦後レジーム(体制)からの脱却」に取り組んだ。
 しかし、昨年12月に政治資金問題で佐田玄一郎行政改革担当相が辞任。今年5月には事務所の光熱費問題などを問われた松岡利勝農相が自殺。さらに久間章生防衛相が失言で辞任するなど閣僚のスキャンダルが相次いだ。
 7月の参院選では年金記録紛失問題への批判もあって、自民党の獲得議席が37まで落ち込む歴史的な敗北を喫した。首相は「改革を続行することが私の責任だ。政治空白をつくるべきではない」と、引き続き政権を担う方針を強調。8月27日に内閣改造・自民党役員人事を断行したが、直後に遠藤武彦農水相が辞任に追い込まれるなど混乱に歯止めがかからなかった。

青天の霹靂。


過去のエントリで書いている(失望した)ように安倍首相の政治能力(というか政局能力)には疑問を持っていました。
それ以降も政局となる度にその資質を疑っており、参院選惨敗という結果を受けてその疑念は確信に近いところまで達していました。
しかし、私は安倍政権を支持していました。
なぜなら前々から事あるごとに書いているように私は自民党を支持しているからで、その自民党の総裁選という真っ当かつ民主主義的プロセスを経て選出された党総裁であり、国会における指名を受けた正当な日本国の首相だったからです。
自民党に一票を投じた人間として安倍首相を支持することは当然であると思います。
その首相が本日突然辞意を示したことに大きな驚きを感じています。


安倍晋三衆議院議員が安倍首相となってから1年弱。
この期間で行ってきた政策は小泉純一郎前首相と比するばかりでなく過去の偉大な首相に比肩するほどのものであったと思います。
自衛隊の防衛省昇格や教育基本法改正、海洋基本法の成立犯罪収益移転防止法(マネーロンダリング防止法)、社会保険庁解体など過去の政権が決してなし得なかった数々の政策を成し遂げました。
さらに特筆すべきは海洋国家である日本にとっての安保条約に匹敵する日米印豪4カ国準同盟やサウジアラビアをはじめとする中東各国との関係強化といった「世界における日本」を強力に印象付ける政策を粛々と成し遂げてきました。
また、麻生太郎外相とのコンビネーションで今後100年の計とも言える「自由と繁栄の弧」構想を立ち上げ、わずか1年足らずの間に目を見張るような外交成果を挙げてきました。
この成果を見るに安倍首相は有史以来のきわめて優秀な首相であった事は間違いないであろうということに疑いの余地は無いと思います。


対して上で挙げたような日本にとって極めて有益な政策を成し遂げてきた首相に対するわが国のメディアのあり方には極めて強い疑問と嫌悪感と失望を感じます。
一国の首相が国内外で成し遂げてきたこれらの業績を国民に知らせることなく矮小なスキャンダルや不祥事報道を続け煽動に明け暮れ「公平な報道」や「報道の中立性」などかなぐり捨てたが如きメディアに報道機関を名乗る資格など本当にあるのでしょうか。
これらの首相の業績についてどれほどの国民が認識しているのでしょう。
メディアとは(大義名分であるとはいえ)公平で中立な報道を行うべきではないのでしょうか。
街頭インタビューで「安倍首相は何もしていない」などと発言している国民を見てメディアはどう考えているのでしょうか。
安倍首相の業績が正当に認知されていないのはメディアの怠慢と傲慢の表れでは無いのですか。


会社などで比較的良く「愚直で真面目に実績を積んでいるがなぜか評価されない人」や「いい加減で適当で大きな失敗は無いものの成功も積んでない割りに極めて評価の高い人」というものを目にします。
これは外部から見れば「耳あたりの良い言葉に高い評価を置き部下を真っ当に評価しない上司」の責任であることが良くわかります。
安倍首相の辞任にあたりこの構図を真っ先に思い浮かべました。
民主主義国家である日本において、政治家の上司は一般の国民です。
国民は政治家の言動や実績について評価し投票するわけで、その投票について少なからず責任を負わなければならないと思います。
今の政治はダメだと声高に叫ぶ声をよく耳にしますが、ダメにしたのは政治家でなく国民ではないのですか。
国民は投票だけすれば良いのではないのです。政治家の上司なのですから。


先の参院選において多くの有権者が「自民党にお灸を据える」として民主党に参院第一党の地位を与えました。
その結果起こったとも言える今回の首相退陣について全ての有権者は負うべき責任を持っています。
メディアには解散総選挙も無ければ不信任決議もありません。
政治家の上司は国民です。
真っ当な社員を真っ当に評価できない会社は確実に後退します。


と、そんなことを考えた首相退陣でした。
煽動のスペシャリストであった小泉前首相の後任としてその心労と激務は察するに余りあるものであったのでしょう。
今は只「安倍首相、大変お疲れ様でした」と言いたい思います。